第24章 戦場
「テメェ!」
男のこめかみに青筋が走る。怒り目で巨大な刀を振り回した。
「っ!!」
カカシは猛撃をわずかにかわす。矢継ぎ早に飛び出す技をよけて、敵のみぞおちに足蹴を喰らわした。
「ちっ…!!」
痛みで怯んだ男が、手を早く動かし印を結ぼうとする。
「させるか!」
カカシはすぐにクナイで半円を描く敵の首筋を裂いた。地に倒れた敵がうめく。
「……っ、テメェ、クソが!!!殺してやる!!」
別の男が咆哮した。
カカシは敵の猛攻撃を、
寸のところでかわした。銀のクナイや長刀を器用に使い、首や心臓の急所を狙った。
確実に。術をかわして
息の根を止めてゆく。
私が、カカシのサポートに
向かおうとしたときだ。
ふと奥に目がいくのだ。
1人。女が長座に腰掛ける。優雅に紅茶をすするのだ。その姿は任服ではない。青白い煌びやかなドレスを身にまとう。
その女と一瞬、目が合う。天井に吊るされたシャンデリアの光が、黄金の長髪を輝かせた。
邪悪な青い瞳がゆっくりと細まり、真っ赤な唇が端に歪んだ。
「小娘か……。あれが…はたけカカシ。やはり強いわね。だけど、アタシより格下だわ」
となりにいる男に話しかけて
せせら笑っていた。