• テキストサイズ

【NARUTO】柔らかな月を見上げて

第24章 戦場


猛突進でつっこんだ。
直近にいる見張りが早々と私に気づく。

「っ!!っ…き、き」

奇襲。と叫びたかったのだろう。
そうはさせない。

「っ!ぅぐっ!!」

迷わず男の懐へ飛び込み
チャクラ刀で右斜め上空へ斬った。

円陣を描いた刃の切っ先が
敵の首に届く。
紅い血飛沫が空を舞う。

「……っ」

まずは1人目。

音を立てないように。絶命した敵を地に寝転ばす。次の男を背後から襲った。

早く。素早く。
見つからないように。

カカシも次々とクナイで
敵の息を止める。

私が4人目の見張りを
殺めたときだ。

「ひぃ!…いいいつの間に…!!…!!ここここ木ノ葉!」

悲鳴が不意に耳に届いた。

目端に映るのは
遠くで青ざめた忍。

ゆっくり
おののいた足が退く。

「…っ!」

しまった。……死角!
気配を消していたのか。

兎面ごしに顔をしかめた。

「うわぁああ!!」

血相を変えた忍が
つんのめりで根城の中へ入る。

「きききき奇襲だぁあ!!」

叫んだ声が根城で木霊した。

「花奏!追いかけるぞ!」

カカシが声を荒げる。
そのまま根城の両扉を足蹴で開いた。

入った先は螺旋階段の目立つ大広場だった。

床一面に敷き詰めた刺繍の絨毯に、高い天井にシャンデリアが金色に輝く。面前には大勢の忍が待ち構える。



「やっと来たな、はたけカカシ!待ちくたびれたぞ!」

広場に集まる大群の忍が
刀や雪の剣の切先をカカシに向けた。

「カカシ!まずお前からだ!死ねぇぇ!!」

怒鳴り声をあげる敵が
真っ向からカカシへ遅いかかる。

「ぅらぁぁぁぁ!!」
歯茎を剥き出して大きな剣を叩きつけた。巨大な地響きで根城が揺れ動く。同時に絨毯を引き裂いて床にヒビが入った。

「遅いぞ」

上に軽く飛んだカカシが
足底で鋭く敵を跳ねのける。

「っ!!」

よろけた男の後頭部を掴んで、すかさず壁に激突させた。壁に大きな亀裂が走る。手に持つクナイで根首を切り裂いた。敵が白目をむいて地に倒れ落ちた。



「ほら、つぎ来いよ」

カカシは振り返る。
狐面ごしに紅い瞳を光らせて
銀のクナイを構えた。

/ 561ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp