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【NARUTO】柔らかな月を見上げて

第24章 戦場


カカシが自来也から花奏をかばった。さらに個人的な想いを真剣に伝えたのだ。

公の場で。

カカシの姿を見た暗部の仲間達は、飲む酒をやめてしまうほど、驚く。

他人に注目されるのが何よりも嫌いなカカシが、酒の席と言えども、はっきりと想いを語ったのだ。

花奏を好きだと公言した姿は、
男でも痺れた。

机の下で手を握り合う姿が、
テンゾウには、お似合いのカップルに見えた。





意気消沈したボタンは、
帰り道に失恋の涙を浮かべた。

落ち込む後ろ姿を見て、「夜は危ないから」とテンゾウは家まで送る。

本当は悲しむボタンを励ますつもりで。元気を出して欲しかったのだ。

ボタンは家に着くと、
さらに泣いた。

「好きで好きで……でも届かないって知ってます……」


弱気な言葉を並べて、
とうとう涙目でベッドに潜った。

テンゾウが帰るとき、
涙声が背に届いた。


「テンゾウ先輩……
ありがとうございます」

「うん。元気出してよ」とテンゾウは無理して笑って扉を閉めた。



帰り道、おぼろげな月を眺めた。


……彼女に愛されたら、
どれだけ幸せだろうか……。


カカシ先輩に敵うわけない。

ボクをボタンが…
好きになるわけがない。

テンゾウは
自分の心にそっと蓋をした。

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