第24章 戦場
第5次アジトを襲撃したときだった。
地面に倒れ込んだカカシの首すじを、冷たい切先が向かう。
「くっ…!!」
クナイで防御に回ったが、間近で嗤う敵は、氷で輝く刀身を力でねじ伏す。
力で喉を貫く気か!
身動き1つ出来ない。
なんて力だ!
クナイと剣が交差する金属音が鳴る。大柄な男はカカシを見下した。
「ほぅ、これはこれは……。かの有名なコピー忍者、はたけカカシではないか。チャクラが切れたか?ハハハハハ……、先ほどから動きにムラがある」
ギラギラした目が間近で薄まる。雪ノ里の忍は手の力を強めた。
「ハハハハハ…しねぇ!!」
「くそ……!!」
カカシの顎下に自分のクナイの刃先が肌に当たる。触れた刃で血が滲み出た。
「……鴨か」
絶対絶命のピンチのカカシは
なぜか嗤った。
「鴨がわざわざネギ背負ってくるとは。お偉いさんか?コレは罠だ」
罠…?
「罠だと…?」
不可解なワードをカカシが飛ばした。
しかし、お偉いさんだぁ?
ふざけた言い方しやがって。
敵の顔に苛々が増した。
「いや、ただの忠告だ」
カカシの舐めた言葉に
雪ノ里の忍は鼻を鳴らした。
「バカめ。鴨はお前だ。この場で殺せば、雪ノ里は名声を得るだけでない。オレの名も世間に知れ渡る。闇で貴様の写輪眼をさばけば、高値がつくはずだ。ハハハハハ……鴨はまさしくお前だ、カカシ!!」
コイツの喉を潰せば、暗部はお終いだ。あとの野郎は大したことねーからな。
カカシを見下ろし、雪ノ里の忍は確信に満ちた笑みで口を歪ませる。
が、まだ男は気づいていない。
「鴨がネギじゃなく、爆札を背負ってるかもしれないがな」
「っ!?……なに!?」
爆札だと!?
敵は目を見開く。「ちっ!」と舌打ちを鳴らし、あと一歩まで追いつめたが、カカシから大きくバク転で距離を取った。
爆札を身体中に?