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【NARUTO】柔らかな月を見上げて

第24章 戦場


カカシはまだ山から見下ろしたまま。
瞳を右往左往に忙しなく動かす。状況判断に努めた。アジトから忍が次々と現る。

刃が弾く金属音が響く。
印を結ぼうとする男を見た。

途端にカカシは走り出す。背後から刀を振り下ろす敵に、新人の仲間が気づいていない。


「後ろだ!!」

飛び蹴りをくわし、喉仏を潰した。

「悪く思うな」

最後に一言添えたカカシは、そのまま首の骨を折り絶命させた。

「前後のチャクラや気配の探りを怠るな。わかったか!」

「はい!」

新人の男は15歳になったばかり。今日でまだ4回目の任務。この荒れた戦場は、さすがに可哀想だと思ったが、この新人は才能あふれる。

「ガンバレ」と新人の背中を押した次の瞬間だった。1人の暗部がアジトから逃げ出す。焦った表情で目を見開き口を大きく開いた。


「爆札だ!!」


荒げる声を背に、
木っ端微塵にアジトが吹き飛ぶ。

「くっ…!クソっ!!!」

カカシは構えたが、爆風に巻き添いを喰らった。新人の仲間を脇に抱えて逃げたからだ。

くそ…!!無茶苦茶だろ!雪ノ里の仲間はまだアジトにいたはずだ。

「………っ…、なんて奴らだ」

背中の痛みに
カカシは顔が歪んだ。

「カカシ隊長!大丈夫ですか?!」

背中から湯気が出る。火傷を負ったが、重傷ではない。まだまだ出先だ。新人が青ざめた表情で覗いた。

「ああ大丈夫だ、心配ない。抜かるなよ。あいつらは仲間を仲間と思っちゃいない」

屈んだ身体を起こし、カカシはアジトの中を確認しに向かった。屋根が崩落し見るも無残な姿。見る影もない。

……えぐいな……。

鼻につく焦臭が漂う。真っ黒に焼け焦げた壁や、雪ノ里の無残な姿に、カカシは狐面越しに目を細めた。

クソみたいな指示を出したヤツは、
だれだ。忍をなんだと思ってやがる。

まさか……知らずに殺されたのか?
カカシは、静かに腹ワタが煮え繰り返った。



「おい、みんな無事か?」

出てきたカカシは、近辺を見渡す。各々に仲間達は、腹や腰や足を押さえているが、動けないわけではない。自分で鬼だと思うが、まだまだ出先だ。これからだ本番は……。


「つぎ、行くぞ」

カカシの合図に、規律が整った暗部達は受諾する声を発し、カカシの後に続いた。


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