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【NARUTO】柔らかな月を見上げて

第23章 戦闘と平和の狭間


「もちろん。大丈夫。私は強いからね。見たでしょう?最後の一撃を」

「……次はオレが勝つからな」

「私だって負けないよ。ほら、食べよ、サスケ君。いっぱい食べて大きくなってね」

どんどん私は串カツを揚げた。食事中、私の話をしてたら、たまにサスケ君が堪えきれずに笑った。その顔がたまらなく可愛いく思えた。


食事後、部屋着と下着を買ってから、サスケ君のアパートに向かった。帰れなかった。取りに帰れば良いのに、帰らなかった。朝身支度で帰る。その時ちゃんとカカシのアパートに向かうから。

自分で自分に言い訳していた。

真っ暗な部屋が昔から苦手だった。
ひとり暮らしをしていた時からイヤだった。ひとりになるとイヤな考えや映像が頭に浮かんでしまう。

ただ、ただ恐かった。


「お風呂まで借りて、ごめんね?」

お風呂からあがってホカホカ身体が温まる。サスケ君は先に入って、すでにベッドの中に潜り込んでいた。夜9時。電気をパチパチと消した。小さな豆電球が灯る。


「…確信犯だろ」

「えーちがうよー」

全然悪びれてない私を、
サスケ君は口を尖らせた。

「…近いから、離れろよ」

子どもの体温ってどうしてこんなに、ぬくいのだろうか。ぎゅっと前から抱きしめた。小さなサスケ君がとっても気持ちいい。

「ぜっんぜん聞いてねーな、花奏は。離れろって」

「やだやだ。気持ちいいもん」

ギューーーッと無理矢理抱きついた。サスケ君は諦めたのか、押す力が緩んだ。

「花奏、初めてキスした奴もカカシなのか?」

黒髪のつむじを見た。サスケ君の顔が私の胸に埋まってた。同じ目線になるようにサスケ君を上にした。

「…なんだって?」

キス!?

「ーーで、どうなんだよ」

さすがに私でもこの質問は照れる。えっと…と考えた。

「うーん、お父さんかも。なんか嫌がってる写真あったから」

アルバムにほっぺにチュウされて、イヤそうに顔をのけぞった写真があった。

「家族は入らねーだろ」

ぴしゃりとサスケ君が言う。だよね。
だったら。

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