第23章 戦闘と平和の狭間
「あ!!サスケ君!見て見て!」
「なんだよ、急に止まるなよ…!」
「串カツ食べ放題。おにぎり、カレー、ラーメン、焼きそば、サラダ、デザート食べ放題。ドリンクバー飲み放題か……これにしよ!!」
え、あ、おい!なんて、言うサスケ君の慌てる声は無視して店内に入った。平日だからか、お客さんはまばらだ。
店員さんに案内してもらって席についた。席のテーブル真ん中が長方形に凹み、油が入る。横には串カツを食べたあと入れる木の筒があった。
※※※
「美味しいねーー」
じゅわじゅわ揚がる串カツ。串に具材が刺さり、油で揚げて美味しくいただくのだ。蓮根、鶏肉、豚肉、椎茸、玉ねぎ、チーズ、かまぼこ、なんでもある。揚がった串カツを網に置いて、油を切る。甘いタレをつけて、口の中に入れた。
「あっ……つ!」
かまぼこのチーズがめちゃくちゃ熱い。舌が焼けそう。ヒリヒリした。
「ゆっくり食べろよ、子どもかよ。花奏って暗部のくせに、暗部っぽくないな」
サスケ君がおにぎりを食べた。なぜ串カツ屋に来てるのに、最初に口にするのが、オカカのおにぎりなのか。そして皿にはトマト。なぜなのか。はなはだ疑問だ。
「暗部っぽいってなに?みんな普通だよ。そう見えるだけ。見た目だけで判断するのは良くないよ」
熱いうずら卵をハフハフして食べた。狐色に焼けた衣がカリカリして、中はじゅわと白身と黄身が熱々で美味しい。
サスケ君の前の網にちょうど揚がったウインナーと、牛肉を渡した。まだ野菜が揚がる。
「どんどん揚げるから、いっぱい食べてね!サスケ君!」
店内はノリの良い曲が流れ、子連れが多い。小さな子が遠くで泣いていた。
「わかってる。食べてるだろ」
渡した串が刺さった揚がりたての牛肉を食べると、「あっつ!」と破顔した。
「やっべー、すっげーあちぃな」
笑った。サスケ君が笑った。口もとが横に伸びたのだ。目を見張った。めちゃくちゃ愛らしい表情なのだ。