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【NARUTO】柔らかな月を見上げて

第23章 戦闘と平和の狭間


「我が暗部30に対して、雪ノ里は400じゃ。……しかも情報が筒抜けとは……頭が痛くなる報告書だ。この通りならば、霧隠れの残党100名が雪ノ里に手を貸し、すでに向かっておる。このままでは挟み撃ちに遭うぞ」

「霧隠れが!?」

耳を疑った。雪ノ里と霧隠れの里が13年前に繋がっていたが、公には一切協力関係ではない。手を取りあっていない。13年前の木ノ葉の被った賠償請求を退ける為、現時点も無関係を貫き通している。

「これは、もう戦争じゃ。敵方も憎いことをしおる。正当な軍事を派遣せず、わざわざ残党を使うのじゃからな。勝手に動いたと、霧隠れノ里は後でしれっと発表するじゃろう」

「ならば3代目、私も」

「ならん!花奏よ…気がはやるのもわかるが、せめて夜明けを待て。アスマやガイが重症なのじゃ。今木ノ葉の攻防力は極端に落ちておる。ワシの命を危ぶんでおるのではない。弱者である木ノ葉住民を守るのも、そなたの役目じゃ」


猿飛さまは
苦面の表情を崩さずに続ける。
その拳のなかの爪が食い込み、
わなわなと震えていた。

「悔しいのは、ワシも同じじゃ。堪えろ」

「………は…」

深い根底から私は声を吐いた。不利すぎる状況下。動けない歯痒さが顔に滲んだ。



「雪ノ里は、最大勢力のうちは一族を失った今、木ノ葉をたやすく征圧出来ると豪言しとるらしいのぉ」

猿飛さまは目を塞いだ。ため息をつかれ、手をゆっくりと下げ口を覆う。


「木ノ葉隠れ里最高部隊、火影直属暗部をやれば、木ノ葉は終わりじゃと…?舐めとるのぉ……目に物言わせてくれよう」

殺気立つ猿飛さまは、
厳しい目で報告書を閉じた。

「花奏、遠慮はいらん。木ノ葉暗部の誇りをかけろ」

「…御意」

重い誓いをたてた。幾度もカカシ同様、苦難の任務を乗り越えて来た。それでも今回ほどの過酷な状況下ではない。

私はふと、
自来也さまの言葉を思い出す。

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