第23章 戦闘と平和の狭間
「なにしてんだ」
突然ふった言葉に、
ハッと入り口に目をむけた。
「あ、サスケくん」
「遅えから来たぜ。チャイム鳴ったろ」
サスケくんが中に入る。あれ、なんか睨んでる。恐い目つきだ。
「う、うん。ごめんね。行こっか?」
私の目は泳ぐ。サスケくんが私を見ないのだ。真っ直ぐにシカマルへガンを飛ばした。
「花奏に近づくな。オレの護衛で来てる。わかったか」
「は?ご、護衛?…護衛ってなんだよ」
顔をしかめたシカマル。焦る私。
「あ、いやいや、ええ、ちょいちょい!……サ、ササ、サスケくん!」
ダメだよ!待ってよ。全部水の泡だ。
「は?本当のことだろ、なに焦ってんだ花奏は」
焦るよ!
サスケくんが知らないのか
ジロリと見返す。
「ああもぅー…言っちゃダメなのにーー」
私は、すぐさま身体を方向転換させて
パンと手を合わせた。
「シカマルごめん!お願い!黙ってて欲しいの3代目には…!あっ、じゃなくて他の人には言わないで?ね?お願い!」
シカマルから、みんなに私のことがバレたら大変だ。3代目にドヤされる。
拝んだ手から、チラリと前を見た。シカマルはなぜか、肩を揺らして笑ってた。
「へ、…べつにいーぜ、黙っててやるよ。めんどくせー事に関わるのは苦手だからな」
「本当!?ごめんね、ありがとう!」
シカマルの言葉に、私は一気に花が咲いたように笑顔になった。良かった。
「ただし」と
シカマルは静かに私の肩をたたく。
「将棋に付き合え」
将棋!?
「ええっ、でも強くないよ」
「7歳よりはうめーだろ」
シカマルが強引だ。取引か。
私が了諾しようと口を開くまえに、サスケくんが喋った。
「シカマル、花奏は放課後はオレと修行するんだ、邪魔すんな」
それは聞いてないぞ。シカマルはまた肩を揺らした。なにか面白いことでもあるのだろうか。なぞだ。
「シカマル、じゃあ今度ね、将棋に付き合うよ。そのときいっぱいやるから」
「ああ、じゃーそれでいいぜ」とシカマル。「サスケ、そんなに睨むなよ。べつに取らねーって」
空気が凍った。
「テメー……ぶっ飛ばす」サスケくんがシカマルの胸ぐらを掴んだ。
「ああ、やれよ。殴れよ。オレも男だぜ。テメーにやられっぱなしは、性に合わねーからな」
シカマルは鋭い目つきで睨み返した。