第23章 戦闘と平和の狭間
「チョウジー、行ったぞー」
「オッケー」
シカマルとチョウジの華麗な連携プレーが炸裂する。次々とドッチボールみたいに当て続ける。捕虜となった忍は油目シノの監視下に置かれる。ぶんぶんと蟲が舞う。…虫…こわい。
「お前、フホウシンニュウ女じゃなくて、猿だな」とキバが八重歯を光らせて回し蹴り。危ない。
「えへへ、じゃあウッキー」なんて言ってみた。身体を剃り返して、キバの攻撃を華麗によける。手のひらを地面に落として、そのまま回転した時だ。
「いまだ!」
男の子の声と同時に、背中で
私は羽交い締めに遭う。しまった。遊んでる場合ではなかった。16名もいるのだ。
「あーー!!もーー卑怯だよー」
ズルいぞ。いや、頭いいぞ。完全に後ろを見てなかった。カカシがいたら、猛烈に怒られるレベルだ。
「へへ、隙を探してたんだよ。悪く思うなよ。楽勝じゃん」
男の子が首すじに触れようとする。私は羽交い締めされたまま、足を浮かせた。
「な、!?」
みぞおちを目がけて
両足で蹴った。
「うっ」と腹上を抑える。
途端に顔をしかめた。
ちょっとやりすぎたかも…。
みぞおちは打たれてると、呼吸が一瞬できなくなる。急所の基本だ。
そのまま浮かせたまま、天に足を振り上げる。離れた両手を男の子の肩に乗せた。
「え!?あれ」と敵を見失った忍者。
「はい、おしまい」
とん、と手刀でうなじに当てた。
反転して地面に着地する。
残るはフードを被ったキバと
サスケ君。
「おい、ボールは卑怯だぞ!」キバが言う。
「うるせーな、勝った方が正義だ」
シカマルが恐いことを言う。投げたボールが一斉にキバに当たる。残ったのはサスケ君1人となった。
「あー、疲れたーー。じゃー、オレら見学に回るぜ」とシカマルは捕虜の方に行く。なぜだ。急にヤル気なくした。どうした。
「え、え、えーーー」
残された私は口を尖らした。調理はどうした。