第23章 戦闘と平和の狭間
「いいぜ…、やってやる」
サスケくんの言葉は合図だ。
たちまち黄色い悲鳴が
教室を埋め尽くす。
「え、え!?サスケくんが!?」
「じゃー私も」「私もやりたいー!」
いっせいに教室を出た女子の群衆。
あっという間に、男だけ残った。
「シカマル、ねーいっしょに行く?」
ふと、じりじりした視線を感じて、後ろを振り返った。机に肘つくシカマルと目が合う。ずっと私を見てたようだ。
「めんどくせー。パス」
と普通に断ると思った。
「いーぜ。なあなあチョウジ、忍者ごっこ、いっしょにやりに行こうぜ」
シカマルは、となりに座る
チョウジの背中をたたいた。
「えーうん、いいよ」
ボリボリとポテチの袋を持って立ち上がる。新しくいま開けたように見えた。何袋目だ。驚異的な胃袋だ。
サスケくんと並んでグランドに出た。
「おっせーってばよ!!」
仁王立ちで待つナルトくん。
「おっせー!おっせー!てかてか!なーーんで、サスケがいるんだよ」
ビシッと指さしたナルトくん。片方の手にはピンクの外用ボールがあった。ドッチボールでもするつもりだろうか。
私はすぐに駆け寄る。となりのサスケくんは舌打ち。ああ、空気が悪くなる。やめてくれ。背中で願った。
「ごめんね、ナルトくん。あ、すっげーことって、どんなこと?」
「おう、聞いておどろけ!」
ニカッと口を開けて白い歯が輝く。乳歯が最近抜けたのか、2、3本なかった。
ナルトくんは
真正面の校舎の窓を見上げて
指をさした。
「あそこにボールを投げてー、1発で入れてやるってばよ」
全開な窓を。いや待って。その窓は4階だ。外したら窓ガラスが割れるぞ。しかもとなりは火影室。私の給料が減給される事態となる。それは大変危険だ。