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【NARUTO】柔らかな月を見上げて

第23章 戦闘と平和の狭間


「あ、花奏ちゃん、みーつけた♪」


渡り廊下を歩けば、
金髪のポニーテール女子が
明るい声で駆け寄った。

となりには、ピンク髪の女の子も一緒だ。なぜか両腕を背中に回したまま。

背中からガサゴソと、
紙パッケージの鳴る音が響いた。

…なんか持ってる?

「花奏ちゃん、どこ行ってたの?探したよ」

金髪の女の子は、普通に
私の左側に並んだ。

「そうだよ。けっこう探しちゃったー」

ピンク髪の女の子が
赤いリボンを揺らして右側に歩いた。

「え、そうだったの?」

キョロキョロ両方をみた。

なんで?

「「うん」」

息の合う2人は
私を挟んで両脇で笑みを浮かべた。

なんて
社交的で優しいのだろうか。

「交換留学の手続きをしてたの。火影さまに印鑑をもらってたんだ」

と私は取り繕う。

まー次から次へと平然と嘘が
出てくるものだ。

知っておくがいい。
大人は平気でウソをつくのだ。
ふ、はははは。

頭で悪態をついた。



「そうなんだ、へーー。あ、これからは花奏って呼んでいい?わたし、春野サクラって名前なの。よろしくね」

マリーゴールドの花が背景に咲いたように、サクラという名の女の子は、にっこり微笑んだ。

なんと壮絶に可愛いのか。

肌も色白だ。目もぱっちり二重。
まつ毛がお人形みたいだ。

歩くたびにガサゴソ音がする。
なにかを隠し持つ。なんだろうか。


「私は山中イノっていうの。お花屋さんしてるんだ。よろしくね」

となりにいながら、「う」と一瞬怯んだ。なんと眩しい。バックに薔薇の花畑が見えた。圧倒的な美人。目鼻立ちが整い、目を細めて笑えば、美しいオーラを放った。

「よ、よろしく…」

両脇にいる女の子は、
クラス1、2を争う美少女だろう。

なんと可愛いのか。
なんと美しいのか。

「…山中…?」

名前を聞いたのに、私は再度確認した。
や、や、山中…?


「お父さんは、もしかして、
山中いのいち…さん?」

おずおず、私は聞いた。

山中一族は代々古くから花屋を営む。冠婚葬祭の花を総括する名家だ。

「うん、そうよ。よく知ってるね」

たちまち
私の顔に緊張が走る。

山中いのいち上忍の御令嬢が、この金髪美少女だなんて、偶然過ぎる。

あ、猪鹿蝶の役が完成だ。
ひぃ…。

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