第23章 戦闘と平和の狭間
「シーカーマール!ちゃんと読め」
イルカ先生がいつの間にか、真横で仁王立ち。叱咤されたのはシカマルだ。
一瞬、花奏に一瞥したイルカ先生は、瞬時に固まる。目をパチクリさせた。
すぐに顔を戻したイルカは
シカマルの肩を叩いた。
「はやく読みなさい」
シカマルは苦虫を噛み潰す顔に変わる。なんだよ、あーめんどくせーなー。
大きくため息が出て、そのまま口を開いたまま、音読した。
「えーー…虹のあし…」
文章を読んでいると、花奏は顔をあげた。くるりと後ろで読むシカマルの方を見た。
表情は、ハッとした顔で。すぐに戻し、ナルトの教科書を、食い入るように見た。
なんだよ、いきなり。
急にマジメになるなよ。
シカマルは読み終え、
怠そうに席に座った。
「次、ナルト」
「へーーい」
授業はなだらかに進んだ。
花奏は、書いた地形図を八つ折りにしてポケットにしまった。
結局。シカマルは花奏が、なんで書いたか、わからなかった。聞きもしなかった。めんどくせーし。
でもよ、ひとつ
わかったことがある。
コイツ
ただもんじゃねー。