第22章 葬儀と日常生活へ
「もっと早く見つかっていれば、被害は抑えれたかもな……」
「……それは、わからないよ。カカシのせいじゃないよ」
「まあ……今回の件で、猿飛さまも重い腰を上げられた。壊滅する際、情は捨てろと。非情にいけと…ね」
カカシは、
しばらく口をつぐんだ。
「雪ノ里、相当荒れてるよね……」
ヤナギの事件前後。
雪ノ里が
不気味なほどに静かだ。
13年前の当時から、たびたび衝突を繰り返した。霧隠れの里とは比ではないほど、戦闘した時期もあった。
それでも常に「待った」をかけていたのは、猿飛さま自身だ。だから、猿飛さまが使う「壊滅」という言葉は重い。
「カカシ、深追いはしないでね…?」
ヤナギレベルの忍が雪ノ里に溢れる。その忍達を根絶させに、カカシや、暗部の皆が行く。
ヤナギは、いない。
イタチも抜けた。
この穴は大きい。
「カカシ、私も行くよ」
私の言葉に、
カカシは
静かに首を横に振った。
「いや来るな。お前は残れ。花奏の応援が欲しけりゃ、パックンに行かせる。な、だから心配するな」
よしよしって、頭を撫でる。
子供じゃないのに。
「アスマやガイや紅もS級任務で里を出る。だから、それまで、花奏は里を守って欲しい。頼むな」
ぎゅっと胸板に引き寄せたカカシ。私の背中に回る手が強く変わる。
「花奏、なあ術、解けよ。いまだけ……頼むから」
抱きしめたまま、カカシは掠れた声で言う。私は「うん」と頷き、術を解いた。
ポンと変化を解くと、
カカシは茶毛を撫でた。
「今回の任務ね。マジでS級超えるレベルかも。もしかしたら、お前に会えなくなるかもしれない…って思ったら、…なんかさ、会いたくなってな……来ちゃったよ」
耳元で聞こえたカカシの声は、弱々しい。気弱に見つめた目は、私を離さない。後頭部を手のひらで引き寄せて、そのまま唇を合わせた。
「…カカシ……ん……」
甘く啄み、唾液を交わるキスに流されていたら、長い指が、鎖骨をつたい膨らみへ流れた。
「ん、…カカシ?」
「なあ、やらせて。な?時間ないから、ここで、最後にお前に触れたいんだよ」