第22章 葬儀と日常生活へ
「ナルト君って、明るくて楽しいね」
「ま、そーだな…。喋り方はクシナさんに似てるな」
枯葉が舞う大木に持たれるカカシに近寄った。腕組みして片方に体重をかける。アカデミーの校舎に目を向けてる。
「ーーーで? カカシ、なんかあったの?今日は任務だよね?」
カカシは暗部の任務服を着て、頭に狐面をつけてる。完全装備だ。
「悪いニュースと、良いニュースがある。どっちから聞きたい?」
人差し指と中指をたてて、ピースサインを私に向けた。嫌な予感しかない。
「じゃあ、良いニュースからで」
「媚薬の犯人が特定した」
キッパリ、カカシは言う。
狼狽したのは私だ。目をむいた。
「え!!じゃあ、すぐに拘束を」
「悪いニュース」
とカカシは指を1本折る。
「オレが移動も含めて、4日かかる任務に出る。しかもな……、花奏、場所変えるぞ」
カカシは、7歳の私を
軽々と抱える。
「え、どこ行くの?」
持ち上げられた私は、
すぐに肩を掴んだ。
「秘密。ってか、お前ってホント軽いねー。片手でも余裕でしょ。お人形、抱いてるみたいだよ」
「7歳なんだから仕方ないの」
くく、とカカシは目を細める。
連れて行かれた場所は
校舎の端にある荷物室だった。
跳び箱やマットやボールが床に置かれ、練習道具の備品が棚に配置している。窓から日差しが当たった。
「ちっちゃいお前、やっぱ可愛いね。腹立つぐらい可愛いわ」
マットの上に座らせた私の頭を、ぽんぽんと、小さな子どもみたいに触った。もう。
「い、意味わかんないし…」
可愛いだなんて……。
赤くなる自分が恨めしい。
「だって、本当のことだろ」
臆面もなく言い放ったカカシは、素早く印を結び、自分の影分身を出す。
「……カカシ?」
戸惑う私を置いて、
その影分身がさらに印を結ぶ。
変化の術。
ぽんと、7歳の私に変身すると、そのまま荷物室から出てしまい、アカデミーの校舎へ駆け足で向かった。
慌てたのは私だ。
「えっ、え、待って、私が行かなきゃ」
立ち上がった両肩は、カカシに強く捕まる。掴まれた手が強い。合わさった目は真剣だった。
「2限、サボれ」