第22章 葬儀と日常生活へ
「んー、じゃあお前さー、ここから当てれるか?」
思いっきり銀のクナイを投げた。すると、遠くで鋭く刺さる音が鳴る。先ほどシカマルがいた大木だ。手裏剣の番の中心ど真ん中を綺麗に打ち抜いた。
生徒は、どよめく。
先ほどまで、大声で叫んでたナルトでさえ、言葉が出ないほどで。
「な、な、な、見せつけんじゃねーよ、バーーカ!!」
「こんなのも出来ないわけ?」
カカシこそ、まあ大人げない。子どもみたいに次々と同じ場所に当てる。
「ありがとうって言えなきゃダメだろ」
圧巻とは
この事を言うのだろう。
いや、ろ班隊長なら、
出来て当たり前だが。
7歳の生徒は
呆然と見ていた。
「カカシさん、さすがですね。そういや、ご存知ですか?以前赤ちゃんを抱いた暗部の方がいたんです。ナルトが暴投して……」
そこまで言って、
イルカ先生が口を塞ぐ。
「確か、死角から投げて、中心をぶち抜いたぜ。お前より格上だったぜ。ソイツ」
サスケ君の挑発だった。
カカシは厳しい目に変わり、瞬身で消える。
正反対の的から一切見えない死角の場所へ。手裏剣を指でくるくる回していた。
「ここか?イルカ先生」
遠くで静かに話すが、はっきりと伝わる声色。
「あ、…はい」
カカシから出る息は長い。
私でも分かる。
遠くから見ても分かる。誰が見ても分かる。天才の領域。尋常ではない努力。超越した場所。神の領域。
カカシは小手調べに軽く投げる。
木に当たったが、的からは大きく外れた。
「……っ、クソが」
舌打ちしたであろう。続けざまに、もう一度投げた。次も外れる。右に逸れたが、的には当たった。