第22章 葬儀と日常生活へ
「お前ねー、風が吹いても、ちゃんと掴まってなきゃ、危ないでしょ。怪我するぞ」
狐面を付けた暗部の男が、
ナルトをお腹に抱え、助けてくれた。
銀髪で狐面。
すぐに分かった。
ナルトは
叫び声をあげる。
「ウッセー!!いきなり出てきて、だれだお前、変なヤツだってばよ!おろせってばよ!」
バタバタ足や手を動かす。カカシはイキの良い魚を抱えているみたいだ。
「助けてもらったら、ありがとうは、ないわけ?」
「う、う、うるせーー!!はなせってばよ!!」
暴れるナルトを抱えたまま、岩盤に吸い付くように、そのまま軽々と歩いた。足裏に、チャクラを集めているのだろう。
私は、岩壁に片手一本でぶら下がり、
登ってくる彼を見下ろす。
間一髪だった。はぁ……。
ホッと息をはいた。
心臓に悪い。
イルカ先生の場所からでは
物理的に間に合わない。
上から「大丈夫ですかー」と声がして、
私は手を上げた。
「ごめん。ありがとう」
岩盤を登る途中に言った。
スタスタ垂直に歩く。岩壁を。
「ああ。……しかし、おまえ反応が遅いな。次の演習、倍に増やすからな」
鬼だ。
やはり鬼がいる。
「いや、あの、寝転んでて」
それは言い訳だ。私は岩壁にチャクラを集めて、ひょいと頂上に登った。
「はあー、おまえ、ナルトだっけ?無茶すんなよ」
この場にいる生徒は、カカシの動きに、目が点になっている。
ナルトは叫び声をあげた。
「おろせってばよ!」
バタバタ足や手を動かす。
「ほらよ」
ごろんとナルトを転がした。
荷物みたいだ。
「て、テメェ!!なにするんだってばよ、お前!だれだ!」
「いや、おろせって言ったでしょ。んーー、言いたくない」
くるくるクナイを取り出す。そうカカシは言っても、狐面を外す。目は別の方向を見ていた。