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【NARUTO】柔らかな月を見上げて

第22章 葬儀と日常生活へ


「花奏、じゃあ次、やってみなさい」

上から言う声が優しかった。

私は笑顔で
「はい!」と返事した。

なぜか名を呼ばれて、
嬉しかった。

二十歳なんだけど。

朝はやる気なかったのに、
今は目が輝く。

準備運動に
アキレス腱を伸ばした。

アカデミーを私は
すぐに卒業する。

忍界大戦中だった。

人員不足の為に、早めに卒業した。

私達は、7歳から任務についていたが、任務がない日は、個別に勉強していた。そんな時代だったのだ。


だから、アカデミー生活を送るナルトやサスケ君。みんなが羨ましい。


「じゃあ、行きます」

手を上げ、少しだけ、
緊張している。


どれくらい。

手をぬけば
良いのだろうか。

いや、私は交換留学生だ。本気を出しても問題あるまい。

真剣な目で頂上を見た。

サスケ君のタイムを超えたい。

手や足や首を、ぶらぶら回し、岩を持つ位置、場所、間隔を瞬時に確認した。

この授業。

どちらかと言えば、暗部の演習に近い。暗部は、岩壁登りを100回往復する所から始まる。

男性陣は、
片手一本、左手のみ。

常々感じる。
カカシは鬼だ。



「よし。よーい、スタート!!」

イルカ先生の合図と共に、
ダッシュで岩壁を登った。

足に力をかけて、ひたすら登る。
素早さだけは、私の取り柄。

片手で岩を掴み、身体を上げる。懸垂してるみたいだ。小さな岩に足にかけ、そのまま一気に登り切った。

「っ……よっしゃ!」

男みたいな、ガッツポーズをとった。

「いえーい!サスケ君に勝った勝ったー」

めっちゃ喜んだ。自分がいちばん、わかってる。ぜったい大人げない。

ダメだ。……ヤバイ。
サスケ君が私を睨んでる。
ひぃ。


「…え、すごくない?…いまの」

でも、ついつい
聞こえた声が嬉しい。

アカデミー時代は常に上がいた。
カカシとヤナギ。体術ではガイ。幻術では紅。いちばんになった試しがない。

周りは、なぜか、まだ、
固まったままだった。

唖然という表現が近い。

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