第22章 葬儀と日常生活へ
「よーい、スタート!」
「…よし」
気合いを入れたサスケ君は、岩に足かける。一気に這い上がる。スピードのレベルが違う。チャクラも使わずに、あっという間に頂上にたどり着いた。
「すっ…げぇ……」
自然と言葉は出てしまう。
「さすが……サスケ…君」
私も目を見張る。
7歳だろうか。本当に?
15メートルの岩壁を登り切ったサスケ君は、悠々と私たちを見下ろす。
「サスケくーーん!」
「格好いいーー!!」
ふと、自分と目が合った気がした。
しかし、
となりにいるピンク髪の女の子や、金髪の女の子を見てるのかもれない。
「あ!今サスケくん、こっち見た…♡」
「ちがうわよ、サクラ。私よ私」
ほら、
私ではない。
「よしサスケ、さすがだ。じゃあ次々いくぞーー。名前をよぶから、ちゃんと登れよー」
「はーい」と下から返事はするが、女の子達の目の先は、イルカ先生ではない。
サスケ君にある。
「やっぱり、……かっこいいね。サスケ君って…」
「うんうん。格好イイ…♡」
黄色い声援は感嘆に変わる。「サスケ君」「サスケ君」
サスケ君の名前がやけに飛ぶ。男の子達も羨望や嫉妬の目が注がれる。
本当に憎らしいほど、格好良く決まる。なぜだろうか。サスケ君を見てると、銀髪の幼馴染みを思い出す。
彼も小さな頃から
何でも器用に出来た。
だから、無愛想なのに、
モテていた。
「あんなの、大したことねーってばよ」
ちょうど、私のとなりに待機するナルト君が呟く。いやいや、凄いと思うよ?
「ナルト君は余裕なの?」
「当たり前だってばよ」
当たり前…らしい。さすが4代目の息子様はちがう。こちらも将来有望だ。
イルカ先生は
次々と生徒の名前を呼び、
絶壁の岩壁を登らせた。
サスケ君のように、みんな早く登れないが、ゆっくりでも、しっかりと上を目指す。
しかし。
ナルト君が行かない。
さっきから名前を
何度も何度も、呼ばれてるのに。
「オレは、超スゲーんだよ。大トリなんだってばよ!」
そうか。なるほど。
いや、よく分からない。
諦めたように
イルカ先生は頭をかいた。