第22章 葬儀と日常生活へ
1限目は体術だ。グランドに行った。「めんどくせー」と奈良シカマルが、大木にもたれ掛かる。
木陰で休む少年に、
私は声をかけた。
反対側には
手裏剣の的当てがあった。
「ねーねー、シカマル君は授業受けないの?」
「まーな、ダルいし」
「え"っ、いやいや受けなきゃダメだよ」
やけに、面倒が嫌いな少年だ。この先どうする。人生面倒なことばかりだぞ。
「花奏こそ、なんで、ここにいるんだよ。こうかん留学だったら、もっと、せっきょくてきに参加するだろ」
たしかに。
私は交換留学とかいう理由のせいで、墓穴を掘ったようだ。
アカデミーで、私は授業をサボるという、選択肢がなくなったのだ。
「じゃあ、シカマル君も行こうよ。今日は岩壁登りだって」
私の明るい言葉に、シカマルは、
さらに嫌そうな顔に変わる。
「げぇーー、最悪だろ。あんな面倒くせー授業、つまらねーよ。あと、シカマル 君ってなんだよ。シカマルで良いぜ」
「そう?じゃあシカマル。そろそろ行かないとさ、もうヤバいよ?」
先ほどから、
恐ーい足音は、確実に
シカマルへ向かうのだから。
「シーーカーーマーールーー!!!」
ほら来た。黒い怒りのオーラをまとい、イルカ先生が来た。
「さっさとこっちに来い!バカやろう」
「ちょ、イルカ先生、待って待って」
シカマルは、
イルカ先生に、
首根っこを掴まれて、
岩壁に向かった。
「たっか……」
見上げて生徒は呟き、言葉を失う。
隙間風が冷たく吹いた。
木ノ葉アカデミーの岩に一列に並ぶ。ちゃんと、命綱はお腹に巻いている。決して落ちて死ぬことはない。
「よーし、じゃあサスケ! みんなに手本を見せてみろ。病み上がりだが、問題ないか?」
「ああ、問題ない」
いちばん、はじめに、
身軽に登りきったイルカ先生が
頂上から見下ろす。
「サスケ君ーー!」「頑張ってーー!」
黄色い声援が女の子から湧き上がる。やはりサスケ君は、モテモテだ。
どこが、別に、なんだろうか。
別に、どころではない。
もうハーレムだ。