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【NARUTO】柔らかな月を見上げて

第22章 葬儀と日常生活へ


通夜が静かに始まる。


ご僧侶の読経が始まり、ゆっくりと時間が流れる。喪主は、サスケ君だ。

式には、近親者も遺族も
一般の弔問客もいない。

私とサスケ君だけ。
ご僧侶様も終えれば退席される。

葬儀関係者は壁に待機して
通夜進行の補助を行う。

しんと鎮まる部屋で
お経を読む声が響く。

暖房が効いた部屋。
外は風が吹いているのか
カタカタと音が鳴る。

サスケ君の御焼香が終わり、私は席を立つ。サスケくんへ一礼して、祭壇の前で合掌する。指で抹香を摘み、目の高さまで持ちあげる。擦りながら香炉へ落とす。最後に遺影を見て手を合わせた。


写真は
穏やかな様子に見えた。



"お世話になりました。
安らかにお眠りください"


そう頭で伝えて、
目を閉じて合掌した。


私は瞳を開けて、
もう一度、一礼した。


とても悲しい式だった。

振り返り一礼しても、
サスケ君以外、いないのだから。


家族葬というには、
あまりに寂しい式だった。


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