第21章 お家と飲み会
目の前の自来也さまも飲み過ぎだ。
なにか嬉しそうなのだ。
ずっとニコニコしておられる。
「だからお前は帰って良いと言ったのにのぉ。お、カカシ、あとで良い店に連れて行ってやろう」
「へ? ソレはどんな」
「ダ、ダメー!ぜったいダメです!!」
カカシが喋る前に遮った。机を前のめりで全力で否定した。
「とんでもない!!ぜぇったいダメですからね!」
変態な店に連れて行かれる。
ぜったいダメダメ!
「ほぉ。お前、そんな店を知っとるのか、イヤらしいやっちゃのォ」
自来也さまが言う。ギョッと内心した。く、くそぅ…。恥ずかしがる私を楽しんでいるんだ。むむむむ。負けない。
「はい。潜入捜査で……、数回ほど、状況を裸眼したことがあります。確保のタイミングが難しかったのを、今も覚えています」
言い切る前に
酒を吹いたのはカカシだ。
「お、お前ね…!な、なにを真剣に答えてんの、バカ」
コンっとカカシの
チョップが頭に落ちた。
自来也さまは口を開けて大きく笑う。
「相変わらず、すぐに真に受けるヤツやのぉ」
く、くそぅ…。
でも、とカカシを見た。
懇願の色が私の目に走る。
「とにかく行っちゃダメだからね?約束して。イヤなの!」
「ハイハイ。必死過ぎでしょ。行かないよ」
ぐしゃりと私の頭を撫でた。手が熱い。半分眠りそうなカカシ。大丈夫かな。
もっと半眼なのは自来也さまだ。
寝そうというより、面白くなさそうな顔で眺める。
「ほぉ。すぅーっかり仲良しじゃのぉ。
カカシ、さっきのお前、サクモに似てたぞ。目がそっくりだったのぉ」
「え、そう…ですか?」とカカシ。
「おう。ワシは、カカシは母ちゃん似だと思っておったが、どうも違うようだのぉ。口もとは母ちゃんに似とるぞ」
と笑ったまま。
自来也さまは喋り続ける。
急に真顔に変わる。