第21章 お家と飲み会
「ダメですって、自来也さま!」
私はとうとう我慢できなくて、ビール瓶をとりあげた。中はすでに遅し。空っぽだ。
「もう〜カカシもだよ!酔っ払ってフラフラじゃん。ダメだよ」
現在
2軒目の居酒屋。
カカシの言葉に感動してたら、2軒目も付き合えと、駆り出された。
居酒屋の席には、
私と自来也さまとカカシの3人だけ。
みんな裏切り者だ。
そそくさと帰ったのだから。
カカシは
浴びるほど飲まされている。
潰されないかと、
心配だった。
ついて来て正解だ。
さすがに、
ここまで飲んだことないはず。
焼酎、サワー、ウイスキー、ビール、清酒…
数えるだけで恐ろしい。
「オレはザルだよ」と以前豪語していたけど、さすがに無理だろう。
そして。
2軒目に行く前にテンゾウが
不安な言葉を残した。
「カカシ先輩、1度、限界まで挑戦してみるって、大量に飲まれたことがあるんですよ。あの時は、もう大変でしたね…」
と背中から声がした。
テンゾウだった。
「…え、そうなの?私知らないんだけど…」
2軒目に向かう足を止めて
振り返った。
「ああ、花奏先輩は、その時ちょうど用事があると言い、早めに帰ったので知らないと思いますよ」
青ざめたテンゾウは「ぜったい飲み過ぎ注意ですよ」と忠告して帰った。
となりに座るカカシは
かなり危険である。
「だいじょーぶだって。強いし」
フラフラ頭が揺れる。眠りそうな憂鬱な瞳に、目の下が赤い。たぶん。口布の下は真っ赤のはず。酒臭い。
「ど、どこが大丈夫なの?明日も仕事でしょう?」
「んー、演習は昼からだし、大丈夫だよ…心配し過ぎでしょ」
目が笑う。
酔っ払いの微笑が飛んだ。