第21章 お家と飲み会
「自来也さま」
ずっと頭を下げたままだった。だから、一瞬だれの声なのか、わからなかった。
静かに、まっすぐな低い声は、
となりに座るカカシからだった。
「自来也さま、ヤナギの件は、すべてオレの責任ですよ。真横にいるのに、彼女が毒に侵されているのに、まったくそれに気づかなかったのですから。大馬鹿野朗ですよオレは。…それに、花奏には、いつも助けてもらっています」
カカシは続ける。私は顔を上げた。
交差しない瞳は、まっすぐ自来也さまを見つめる。
「彼女がいなければ、オレはきっと…どこかで野垂れ死んでるか、闇堕ちしていたはずです。オレの父さんの件はご存知でしょう。花奏には…本当に感謝しかありません」
カカシは話をしている間に、下から私の手を握る。見えないように手を優しく包み込んだ。あたたかい体温が伝わる。
「ま、それだけじゃないんです。オレはいつも彼女に助けられている。些細なことや大きなことまで……。当の本人は気づいていませんが、そこが…好きなところなのかもしれませんね」
カカシは話を終えると、頭を軽くポンポンとたたいた。柔らかな瞳が交差した。
彼は、
いつだって、そうだ。
私がピンチなとき、
いつも助けてくれる。
アニメで憧れだった。
赤いマントのスーパーマン。
自分を犠牲にして人を助ける救いのヒーロー。
私のヒーローは、カカシなのだろう。胸からこみ上げるものを感じて、熱くなった。
いつだってカカシは
困っていれば私を助けてくれた。
泣いていれば手を差し伸べてくれた。
それは昔から。
ずっとそばにいてくれた。