第21章 お家と飲み会
「話は変わるが…花奏よ。ちょいと小耳に挟んだんがのォ」
自来也さまが喋る。
私に向ける瞳は、
とーーっても厳しかった。
「毒に侵されたらしいのォ。暗部のくせに、なぜ味や臭いに気づかんのだ。ワシはそんな風に育てたつもりはないがのォ」
ぐさり。
痛烈な指摘だ。
ホルモンが喉に詰まりそうになった。
ごくんと喉を通して、正座にすわり直した。下手な言い訳は火に油を注ぐ。
「…も、申し訳ございません。すべては私の気の緩みでございます。隊長であるカカシにも大変…ご迷惑をおかけてしまいました」
頭を下げた。
私の師は、じつは自来也さまだ。すぐに旅に出られて、ほんの1か月程度だったが、術やフォーマンセルなど、基本的なことを教わった。
だから
頭が上がらない。
「私は…、どこか甘えがあったようです。今後は決してないよう、しっかり精進致します」
もう一度頭を下げた。
深く。
「ふーむ……過ぎたことだからのォ…次はないようにな」
「御意」
短く返事した。
考えてみれば、今朝の根への対応も不適切だ。カカシがいないと、今頃どうなっていたか。
……たまに自分がイヤになる。
こころが沈んで、肩を落とした。