第21章 お家と飲み会
「あー、思い出した。7回。だけどね、あの時オレまだ出来たんだよね。なあ、何回できるか、今度やってみようよ」
「!?い、い、意味、わかんないし…」
ゲームをチャレンジするみたいに
言うカカシ。
私の肩を掴んで引き止めて、耳もとで変なことを言う。たちまち私は目が泳ぐ。
私の反応を見て
カカシはニヤリと笑った。
「かお、真っ赤」
「も、もう、ほっといてよ」
「やっぱ裸のままじゃ寒いな。早くシャワー浴びて横になろっか?」
「あ、うん」
カカシが私の前に立つと、
ひょいと自分の身体が宙に浮いた。
「や、やだ、もう…、だ、だからひとりで歩けるってば」
「なに言ってんの。お姫様が風邪ひいちゃったら大変でしょ?ほら、風呂入ろう」
「お、お姫様って…」
「オレの大事な大事なお姫様でしょ?」
もう、やだ。
カカシが間近で笑うから、私は見惚れてしまう。細い顎に高い鼻緒。普通にカッコいいって今思った。
何年もずっといっしょだから。意識してなかったけれど、やっぱり整った顔だちだ。
「あ、あ!待って、下着が落ちちゃった」
「あー、あとから取りに行くから」
私の言葉に振り返る。私を荷物を運ぶみたいに、担いだまま屈んだ。
「この下着、可愛いよね」
!?
白地に
エメラルドの薔薇の刺繍の
ブラジャーを掴んで、凝視している。
「み、見ちゃダメ」
パシッと取り上げた。
「はー?ケチ」
カカシは口を尖らせる。
子どもか。
落ちた服を残して、
脱衣室に向かった。