第20章 ひとり。
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【木ノ葉隠れ里夜の街、一時騒然】
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◆昨夜未明。木ノ葉隠れ里中央通りで、男が錯乱状態で刃物を振り回す事案が発生した。その場にいた男女5名は泥酔した状況下で、「薬物を使用した」と言う。
◆乱れた行為を公然で行った為、公然猥褻罪で全員を緊急逮捕したが、薬物反応は一切検出されていない。
刃物を振り回し、無関係な住民に怪我を負わせた男は、取り調べに対し、「なにも覚えていない」と容疑を否認する。残された薬を現在、早急に調べている。
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「この1週間で、3件目じゃ」
3代目は言う。
「まだ死者が出てないのが救いじゃがな」
「さっき、お前が診てもらった木ノ葉病院の医療忍者に確認してもらったんだけど、症状は花奏と同じだよ。検査には引っかからないし、薬は効かない。厄介な代物だね」
カカシはそう言うと
腕を組んだ。
「じゃあ、売人が最近になって、急に捌き出したってこと?」
「だろうね。しかしねーー、なかなか尻尾を出さないのよ。気づいたら手遅れがほとんど」
「逃げられっぱなしって事か…」
「そうなんだよね。オレやテンゾウとか皆で探してんだけど、なかなか……な。だからな、お前も頼むな」
とカカシが軽く肩を叩く。
やけに目が笑う。
「イタチもいなくなって、カツカツだったのよ。お前が帰ってきて嬉しいよ」
声はやけに弾んだ。
「来週から、サスケの護衛も頼むぞ」
と3代目はキセルを吹かす。
「それでサスケの件はチャラじゃ」
「…りょ、了解しました…」
鬼の指令に、
私は大きなため息を
吐いていた。