第20章 ひとり。
「サスケの護衛、花奏に任せる。晩飯も作ってやるのじゃ。アイツはたぶん家事のやり方を何も知らぬじゃろう。教えてやれ」
「…護衛!?」
「一生ではない。当分の間じゃ」
こ、このじいさん。
聞いていれば。
大変なことを言い出す。
さすがに
私の顔は反感な表情に変わる。
「では、じゃあ、暗部の任務は」
なし?という期待が膨らむ。
「任務も、たんまりあるぞ」
とにっこりな3代目。
巻物やら書類を見せておられる。
いやいやいや。
「3代目、む、無理です。私死んじゃいます。無理な案件です」
「大丈夫じゃろ。
若いうちは働いて働け。ワシもそうじゃったからな」
キッパリ断言する。こうやってブラック企業は……略。
私は困り果てて頭をかいた。さすがに毎日はキツい。
3代目は困った私を見ても
話を続ける。
「ふむ……最近の暗部任務は、夜の見回りや護衛がほとんどじゃ。朝はアカデミーについて行き、夜は任務を行え。サスケも、身体はなんともないからの。来週から復帰できるはずじゃ」
依頼書類をパラパラめくる。
確かに暗部任務はいつもよりも楽な方だ。
「…3代目」
ある言葉に、
私は少し引っかかった。
「夜回り…ですか。なんで暗部が?」
夜回りはBランク。中忍レベルだ。
暗部がわざわざ率先して行う任務ではない。
「夜回りと見張りと、街の潜入も、最近は変装してやってるのよ」とカカシ。げんなりした表情で。
「街からの依頼じゃ。なんとしても早急に捕まえてしまわぬと、次は死人が出るかも知れぬ」
「はい。出来るだけ早めに探し出します」
カカシは一礼した。
「死者…?なんの話ですか?」
私は分からず頭をひねる。
「そうか、花奏はまだ知らぬか」
3代目はそう言うと、デスクのはしに置かれた新聞を私に渡した。朝刊にはデカデカと、うちは一族事件が掲載される。
「そこじゃのぅて…
もっと右端に載っておる」
「これだよ」
分からないでいると、
カカシが指をさした。
記事は、
はしに追いやられていた。