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【NARUTO】柔らかな月を見上げて

第20章 ひとり。


根の気配が消えると、真っ赤な写輪眼を額で隠し、私の前に飛んで降りてきた。


「災難だったな」

カカシがコートを脱ぎ私の背中に被せる。落ち着く香りが広がる。

「いや、悪いよ」
「使いなよ。お前が風邪ひく」

「それはカカシも」と言いかけたら
私の頭を軽く撫でた。

「いいから」

「ああ…うん。ありがとう、カカシ」

暗部の仲間も周りに集まる。


「うちはサスケ……」

自然と集まる視線は、私の横に向かう。

私のコートの裾を掴むサスケ君は、獣面を被る仲間に怯える。警戒した瞳だった。

「かわいいーー。何歳?」
「こら、ボタン」
「いーじゃない別に。ねー、ねーサスケくん何歳?」

ボタンが喋るたびにサスケくんが私の後ろに下がってしまう。

「確か…7歳だっけ?」

「花奏、言うなよ」とサスケくん。

「ご、ごめん…」

う、怒られてしまった。




「カカシ先輩、どうもわからないんですが。立ち入り禁止区域に侵入したぐらいで刃物を向けるでしょうか?」

テンゾウがカカシに
頭を傾ける。

「…どう見ますか?」

「根だからな。ダンゾウ様の差し金は間違いない。テンゾウみたいに、サスケを根に入れたいのかもな」


「サスケくんを根にですか。…若くないですか?確か彼は7歳ですよ」

「いや、若ければ若い方が洗脳しやすい。オレの時もそうだったしな」


カカシの瞳は沈む。
遠くを見つめるように。

その言葉に、
心が騒ついたのは私だ。

目を剥いた。


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