第20章 ひとり。
「根だろうがなんだろうが、暗部ろ班と全面対決したいって言うなら、演習がてらに、いつでも相手してやるよ」
カカシの言葉に、
次々と暗部の仲間たちが土壁の上に並ぶ。
テンゾウや夕顔、ボタン、ハギや、
多くの仲間が並んだ。見慣れない新人もいた。
「カカシ先輩、こんなところで演習しちゃって大丈夫なんですか?まー、僕はやる気満々なんですがね」
印を結んで木遁の術を発動させようと
準備するのはテンゾウだ。
大木が地面から次々と生える。
「ま、根の忍さんがヤル気ならね」とカカシ。バチバチと千鳥を鳴らした。
完全に戦闘モードに入る皆は、
クナイや刀を抜く。
「先輩ダサすぎですよーー」とボタンが言うと、
「ボタン、やめなさいったら」とハギが叱った。
「花奏先輩ーー、助太刀に来ましたよ!」
テンゾウが手を振る。
「先輩、もう大丈夫ですよ」
夕顔は長い髪をなびかせた。
久しぶりの面々に安堵の気持ちが広がる。
「ごめんね、みんな…ありがとう」
となりに立つサスケくんは
黙ったまま私の任服をつかんでいた。
「…ち、」
根が舌打ちする。
カカシは千鳥を消すと、
「おい。2度とふたりに手を出すな。
上に言っとけ、わかったか!」
ドスを聞かせた低い声を町中に響かせた。
無音のあと、
根の忍がくるりと背中を向ける。
「…引け」
小さく発すると、
根の10名の忍達は一瞬で消えた。