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【NARUTO】柔らかな月を見上げて

第14章 失ったもの


2人で待機所を覗けば、テンゾウがいた。机に向かって書類を書いている。今日はテンゾウも休みなのにな。


今日実は、暗部全員がお休みの日なのだ。カカシが3代目猿飛様に、今日は皆を休ませて欲しいと、前々からお願いしていた日だったのだ。


カカシなんか
昨日の任務を入れたら8連勤。
死んじゃうよ。

暗部だ。みんな、事件やトラブルがあれば、
即座に駆けつけれるように準備している。


ドアを開けると、テンゾウがペンを止めて、顔を上げた。


「あ、カカシ先輩、お疲れさまです。 花奏先輩、体調は大丈夫ですか?」

テンゾウが心配そうな表情を浮かべて私を見る。

任務中に媚薬で侵された姿を露呈させた。薬のせいとはいえ、醜態をさらけ出したのだ。


「う、うん、なんとか。 ごめんね? テンゾウにも心配かけたし、迷惑かけたね」


首をかいた。後輩に迷惑かけて心配させて情けない。気を引き締めて仕事につかないとダメだ。


「花奏先輩、なに弱気になってるんですか、次、次。 暗部の仕事は絶えないんですから、次に切り替えましょ」


テンゾウが、にぃっと笑ってくれている。気を使わせて申し訳ない気分だ。


「そうだね。くよくよしちゃダメだね、ありがとう、テンゾウ」


私はテンゾウと向かい合う席に座って、真っ白な報告書を机に広げた。


「花奏先輩、それ、……2日経ってますよ……」

真っ白な報告書を見て青ざめるテンゾウ。分かってるよ、言われなくても。

ペンを持つ。げんなり気分が重い。

はあ……。報告書は、原則その日に提出するのが通例だ。

報告書は、一日遅れるごとにペナルティが加算される。あーやだやだ。もう2日も経っちゃった。


しかも今回は私のせいだ。3代目から、どんな雷が落ちるだろうか。


「お、テンゾウ、それ、昨日の報告書?悪いね、助かる」


カカシも私のとなりに腰掛け、何も書いてない報告書を取り出した。ああ、2日前のやつだ。こやつも同罪だ。

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