第13章 その後
「花奏って、いつ髪の毛がストレートになったの?昔はクルクルだったじゃない」
朝食を済ませたあと、洗面台で歯磨きを終えたとき、カカシが私に近づいてきた。後ろから肩まで伸びた茶髪に触れる。
「ああ、昔はね、もっともっと凄かったの。生まれて数ヶ月ぐらいは、特にくせ毛がひどくて、クシに引っかかって、ちゃんと、とげなかったんだって」
振り返ってカカシを見た。私は首を傾けた。なにしてんの。
幼い頃の名残は今もあり、耳の近くの髪はクルクル緩く巻いている。任務中は邪魔だから髪を1つに縛るスタイルだ。カカシは私の髪に再度触れる。
「へぇーー……仮面ばっか付けて任務についてたから、最近ちゃんと見てなかったな。 あんま余裕なかったかもね、オレ……」
私の髪に指を絡めてキスをした。熱を帯びたカカシの目が、私の瞳を見ていた。
「オレさ、笑った顔も好きだけど、花奏の困った顔も好きなんだよね」
カカシは私の頬を触りながら
親指で唇をなぞる。官能的に。
「っ! ……」
カカシが優しく触れるだけで、
身体が鋭敏に反応してしまう。
顔が赤らむ。
「花奏……かわいい……」
顔を近づけてきて、カカシの唇がふわりと重なる。私はキスを受け入れていた。
「続き…しよ」
耳もとで囁くカカシの声は私を誘ってる。甘く低い声だ。
「っ、カカシ、そ、の……」
私の視線が定まらない。
焦って困る姿に、カカシはクスリと微笑を浮かべた。
「オレに触られたらイヤ?」
「そ、そんなことないよ」
ちがうの。
ただ恥ずかしいの。
だって、今まで異性として
カカシを見てなかったから。
「じゃあ、いいじゃない。花奏、おいでよ」
カカシは私の腕をつかみ、ベッドに連れて行く。私は簡単に押し倒されて覆いかぶされる。
「お前がね、本気で好きだよ……
イヤなら蹴りあげて逃げなよ」
首すじに顔を埋めて、甘くキスをしてくる。びくんと身体が揺れて反応していた。
「花奏……」
カカシは私を抱きしめる。
まるで大事な宝物のように。