第13章 その後
頭をタオルで拭きながら脱衣所を出てリビングにむかった。カカシは机に冷たいお茶を入れてくれている。
「カカシ、ありがとう」
白い陶器のコップ。カカシらしいシンプルなもの。私はごくごくと一気に飲みきった。カカシはやはり疲れてるのか、すでにベッドで腰掛けている。
「花奏、コップさ、また買いに行こうか、割れちゃったしね」
「ああ……うん、そうだね……」
ヤナギとやり合ったとき、割れたクマのコップ。私は落ち込んでいる。ヤナギはカカシを殺さなかった。
ならばなぜ、仲間2人と大名は殺したのか。直接手をかけていなかったかもしれないが、ヤナギはビンゴブックに載ってる男と盗賊と共謀したのだ。それが私には理解出来ないでいる。
「カカシ、寝よっか?」
頭をドライヤーで乾かした後、カカシに言った。返事がない。ベッドの方を見ればカカシはすでに横になって寝ていた。
近づけば、スゥスゥと吐息が聞こえる。やっぱりお疲れだったみたい。
「ふふ、おつかれさま」
私もベッドの中に入って、カカシにも掛け布団をかけた。こちら側を向いている。寝てる姿は幼い気がする。まつ毛が長い。
「おやすみ…カカシ、ありがとうね、助けにきてくれて……」
ぎゅうっと抱きしめて目をつむった。カカシの匂いはやっぱり落ち着く。優しい気持ちだった。