第13章 その後
「ん……、カカシ……」
はあ…はあ……
息が上がって、フラフラだ。顔が熱くてぼうっとしてしまう。
「……花奏、え、待ってよ。 のぼせてるじゃない、大丈夫?」
カカシの顔が
フラフラして見える。
「ふふ、……ごめん、やり過ぎたな、上がろうか。 明日しよ、続きは」
私の腕を引っ張り上げて、身体を抱えて上がるカカシ。
「大丈夫だよ、歩けるって……」
あれ、ちがう。カカシいま、とんでもないこと言わなかった?
「ダーメ、洗ってくれたお礼」
脱衣所に下ろしてバスタオルで私の頭から身体を拭いていく。恥ずかしい。赤ちゃんじゃないのに。
「大丈夫だよ、もう……っん……」
私の言葉は口づけで塞がれる。カカシが薄目で私を見て、笑みを浮かべた。
「かわいい顔するなよ」
「っ!!? してないよ!」
思わず口に手を置いた。カカシに欲しい顔をしてしまっていたのだろうか。欲求不満に見られた? とにかく恥ずかしい。
カカシは、「ああ、そうだ」と言って、脱衣所に置かれた紺色のスウェットを私の前に出す。
「パジャマに使ってたジャージ、破れてたし泥々でしょ。オレの使いなよ。あっちでオレは着替えるから」
そう言って、頭をガシガシと拭いて、バスタオル姿でカカシは脱衣所を出て行った。
「あ、……カカシ、ありがとう」
カカシは私の言葉に、手をひらひらと動かす。意識しすぎなのかな……だけどだけど! カカシと何年もいっしょだったけど、初めていっしょにお風呂に入ったのだ。
恥ずかし過ぎて湯気が出る。
私は脱衣所のドアを閉めた。気を取り直して新しい下着に着替える。そして棚に置いた紺色の大きめのスウェットを手に取った。
LLサイズぐらいだろうか。大きい。カカシは私より頭一つ以上ある。なんかまだ身長が伸びそうだ。
私はカカシに借りたスウェットを着た。やはりダボダボで、カカシの匂いが広がる。いつもと同じなのに、今日はドキドキしている。