第13章 その後
「なあ、花奏。 やっぱ見ていい? 見たいんだけど」
熱めの湯船に浸かるカカシと、カカシを見ないように背中を向けている私。目隠しは濡れて気持ち悪いって言うから外したけれど、目はつむったままのカカシ。
「ダメ。ぜったいに見ちゃダメ」
恥ずかしいし、身体に自信ないし、付き合ってないし。
なんでいっしょに湯船に浸かってるかというと、一度出ようとしたけど、寒すぎて寝冷えするってことで、湯船にお湯を溜めて入ることになった。
「どうして?」
カカシは、不満気な声で聞く。
「どうして!? どうーしても!」
「オレはお前に触りたい」
カカシが身体を動かし手を伸ばす。
「ねえ、花奏? そんなにオレから離れるなよ」
後ろから私を抱きしめてくる。私の胸に手が当たっていた。
「っ! カカシ、あ、あの、む、ね……」
かぁぁっと火照り出してしまう。背中にカカシの身体が密着してる。パシャと水の音が浴槽に響いた。
「あー…悪い……、でもね、お前のこと、これから異性としてオレは見るからね?」
と言うカカシはお腹に添えていた手を、
私の肩に優しく触れた。
「こっち向いてよ、顔が見たい……ダメか?」
カカシの吐く息と唇が、
私のうなじに触れる。キスの音が耳元で聞こえた。
「カ、カカシ……」
変な声が出てしまう。
「……花奏、オレはお前が好きだって言ったよな。 なあ、まさか流そうとしてないよね? 分かってるでしょ? オレが今すごく興奮してるの」
ビクンっと身体が揺れてしまう。背中に当たる硬くなったカカシの自身。
「っ、あ、……う、ん……」
意味不明な回答をしてしまう。グイッと肩を掴まれ、振り向かされた私は甘い口づけを落とされていた。