第13章 その後
「花奏? ねえ、なにしてるわけ? オレ、なんにも見えないんだけど」
カカシが目隠し状態で言う。額当てに手をかけようとしたから、すぐにとめた。
「ダメなの! だ、だって……恥ずかしいし……、こうしてなら身体を洗ってあげるから、ね?」
「えーー? こっちの方がなんか、恥ずかしいでしょ」
「は、恥ずかしくないよ。 私も脱ぐから待ってね?」
そう言って服を脱いでいるが、めちゃくちゃ恥ずかしい。カカシの裸なんて洗ったこともないし、じっくり見たこともないのだから。
浴室の扉を開けて、シャワーを出した。もう一度脱衣所に戻り、カカシの両手を掴んだ。
「ゆ、っくり歩いて来て? 」
「ーーやっぱりこっちのほうが恥ずかしいって」
椅子に座ってもらって、温度を確かめてから、シャワーをかけた。
「熱くない?」
「うん……ねえ、マジで洗ってくれるわけ? なんかエッチな感じしない?」
「し、しないし! ば、バカなこと言ってないで髪の毛洗うね?」
シャンプーをつけて、わしゃわしゃと洗った。ふわふわした髪。ワンちゃんみたいだ。
「……気持ちいい?」
「うん、たまに顔に当たるけど、胸?」
カカシの両手が私の腰に当たる。私は声にならない声を上げていた。
「っ!!? ……ちょ、も、もう私真剣にしてるんだから、ダメだよ」
「あー、見たい見たい……」
「な、なに急に……あと、いい加減離れて?ちゃんと洗えないよ?」
ぎゅっと身体に抱きついて顔を胸部分に埋める。まるで甘えてるみたい。
「気持ちいい……肌がすべすべしてる」
「んな! だ、ダメ……もう……!いま洗ってるとこなの、お触り禁止!」
手を私から放して、髪の毛を洗ってシャワーを流した。タオルに石けんをつけて、ゴシゴシカカシの身体を洗った。背中を洗って腕を洗って、上半身を洗っているが、なんだろうか、カカシは急に黙ってしまった。
「それより先は自分でやるから」
ヒョイとタオルを奪われる。
「どうして?」
「反応しちゃうでしょ、オレが」
「……!!」
私はすぐさまカカシに背中を向けた。視線が完全に下を見てしまった。
うう……恥ずかしい。