第13章 その後
スタスタ普通に歩いていたけれど、アパートについて、私をおろして、壊れたドアを開けて、閉めた後、カカシの足が、がくりと倒れこむ。
「ちょ、ちょい! カカシ……!!」
間一髪のところで、私がとっさに抱えて、ぶっ倒れるのを防いだ。
しかしながら、ずるずるとカカシの体重を支えきれず、玄関で下敷きになった。
「うー〜……カカシーー……」
カカシが私の上に覆い被さり、ぐったりした様子だ。
「やっぱりカカシ……無理してたじゃない、も、もうーー」
ぐいーーと身体を押しても動かない。カカシの顔をペチペチ叩いた。
「……あれ?」とカカシが気づく。
「……オレ、いま気失ってた?」
覆いかぶさったまま
カカシが私を見下ろして言う。
「ええ、ええ、突然ね? もう、カカシ危ないよ。 もしかして、いつもこんな感じなの?」
「あーー、うん。 アパート帰ったら気が緩んじゃうんだよねオレ……。ごめん、風呂まで運んで?」
「え、ええ? もう仕方ないなあ……」
私はカカシから抜け出し、肩を貸して、ぐったりお疲れな身体を運んだ。お、重い。細身なのに筋肉質だから身体がずっしりくる。
「花奏……大丈夫?」
「大丈夫だよ、うん」
ずるずる音を鳴らして
カカシを引きずる。
「オレ、もう疲れて、何も出来ないから、身体も洗って?」
「ああ、うん、いいよ。わかった………………、って
ちょっと待ってよ、む、無理!」
私はびっくりした表情でカカシを見た。いや、なんで普通そうな顔してるの。
「え? なに照れてんの? やりまくったじゃんオレら。 もう見飽きたでしょ?オレの身体なんて」
「そんなの、ちゃんと見てないし、覚えてない!」
「ふーーん。あっそ」
脱衣所についたら、カカシは私から離れて服を脱ぎ始める。普通に。
「花奏も脱ぎなよ、濡れて気持ち悪いでしょ?」
上半身が裸になったカカシはズボンに手をかける。私は即座にカカシに近寄った。
「待って待って、だ、ダメ!」
カカシの斜めに当てた額当てを
両目で隠した。私が見えないように。