第11章 いってらっしゃい*浦原喜助[BLEACH]
(ん?)
ポツリポツリと雨が降り出して…そのまま大雨になった。
(帰らなきゃ…あっ!)
走り出そうとしてそのまま滑ってしまった。
(指輪が…!)
転がっていった指輪を追いかけ、拾ったとき。
後ろに重い霊圧を感じた。
「なに、これ…?」
見たことない化け物が私の後ろにいた。
これが虚…?
『オ、マエ…ウマソウ…』
言葉とは言えない、ただ文字を並べたようにそう言って、近づいてくる。
「い、やぁ…」
逃げなきゃって思うけど足が動かない。
その間にも虚は近づいてくる。
(もうだめ…)
食べられる。
私はあきらめた。
「喜助さん…」
虹は見られなかったけど、人を好きになれて…
私は幸せでした。