第8章 ホントノカレ*朝日奈梓[ブラコン]
逃げた方がいいなと思ったときには遅かった。
引っ張られて体が宙に舞い、ベットの上に倒された。
「あず…んんっ!」
強引に唇を重ねられる。
逃げようにも、体を押さえられているので動けない。
「梓ぁ~!…いやっ!やめてっ!」
「…ふふっ。そんな顔で言っても逆効果だけど?」
愉しそうに笑いながら、また重ねられる。
「んーっ!…………ん、ふぅっ!」
外そうとして、顔を背けてもそれを追うように、唇を離そうとしない。
それどころか口内に侵入してくる。
呼吸を奪うようなキスに、抵抗する力もだんだんと抜けていく。
私が抵抗する力をなくしたのを知って、梓は離れた。
「確かに椿も好きだけど…こんなことをしたいと思うのはキミだけだから。」
(…っ!)