第6章 『家族』*百夜優一郎[終わりのセラフ]
「えっ?優ちゃん…!」
振り返ると上身を起こす優ちゃんがいた。
「ゆ、優ちゃんっ!!」
思いが涙となって溢れ出す。
頑張って止めようとしても止まらない。
「ふっ、相変わらずだな。お前。」
「だって、だってぇ!!」
吸血鬼のことなんて今は頭になかった。
優ちゃんが私の全て。
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一時間くらいしてやっと収まった。
「そうだ。生きてたら言おうって思ってたんだが…」
「?なになに?」
「俺と家族にならないか?」
「えっ?家族でしょ、私達?」
まだ混乱してるのかな?
「ああ、そう言うことじゃねぇよ!…俺と本当の家族になろうってことだっ!二度も言わせるなっ!」
…まさかプロポーズですか!?
顔は見えなくても首筋が赤い。今の優ちゃん、絶対可愛いだろうなぁ。
「うんっ!」
私も満面の笑みで頷いた。
家族としてあなたの側にいられる。
私は今幸せな気持ちでいっぱいだよ!
…こんな気持ちをありがとう、優ちゃん。