第6章 『家族』*百夜優一郎[終わりのセラフ]
1ヶ月が過ぎた。
優ちゃんはまだ目を覚まさない。
「よう、大丈夫か?」
グレンさんがお見舞いにやってくる。
優ちゃんって皆に好かれてるんだよね。お見舞い多いし。
「まだ、起きません…」
私は優ちゃんのほうに目を向けながら言った。
「そっちじゃねぇよ。…お前の方だ。ずっと付きっきりだろ?」
「そんなことありませんよ。ただ側にいたいだけ…」
「他にやりたいこととかねぇのかよ?」
やりたいこと…?
「吸血鬼を倒したいです!」
「ダメだ。」
そんな即答しなくても良いじゃん!
ジィッと睨む。
「…そいつの頼みだよ。お前を戦わせたくないってな。別に実力の問題じゃないからな。」
え?優ちゃんが…!?(てか力不足だと思ってたのバレてたよ!)
「どういうことですか!?」
グレンさんに詰め寄る。
「…ハァ。詳しくはそいつに聞けよ。」
そいつって言っても。…!!