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短編集 Dear my precious…
第5章 2人で…*朝日奈祈織[ブラコン]
「ごめんなさい。こんな話…」
「…同じだよ。」(ボソッ)
「えっ?」
「…僕も同じ。…中学生の頃、愛する人を失った。」
「えっ!?」
彼女の瞳に驚きの色が浮かぶ。
そんな彼女に少し微笑んでから冬花のことを話し始めた。
儚げな彼女を僕は愛していた。
だけど、あの雪の日。
僕の目の前で、車に轢かれた。
…即死だった。
あれだけ苦しかったのに、奏の前ではすんなり話せた。
彼女がいつの間にか僕の中で特別になっていたみたいだ。
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