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短編集  Dear my precious…

第4章 特別な場所*黄瀬涼太[黒バス]



私は制服のまま外で涼太を待ち続けていた。

気温などわからない。
なにも感じなかった。

「奏っち!?なんで外にいんスか!?風邪引くっスよ!」

「ねえ、涼太。」

涼太の心配もよそに勝手に話し始める。

「あの雑誌、嘘だよね…?」

嘘だって言ってほしい。

「あー見ちゃったんスね。」

嘘だって言ってよ。

と突然そう思う自分が恥ずかしくなってきた。

彼女でもないのに…こんなこと言われたくないよね。

「ごめん。」

涼太に背を向けて逃げようとした。

でも

(…っ!)

手首を捕まれる。

「涼太?」

涼太は黙ったまま私を引っ張り、家の中に連れ込まれた。
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