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短編集  Dear my precious…

第4章 特別な場所*黄瀬涼太[黒バス]


壁に押しやられ、ドンッと私の耳のそばに涼太の手が来た。

彼の顔はつらそうに思える。何だかんだで幼なじみ。それくらいわかる。

「辛いんだったら、私が相談に乗るよ。」

私にとっては何気ない一言だった。
でもその一言が彼の中のなにかを切ってしまったようで…

「あっ、ちょっと!?………ん…んん」


唇が押し当てられる。


「んん………ん!」


長いキスに息が持たない。


空気を求め口を薄く開くと、待っていたかのようにすかさず涼太の舌が侵入してくる。


「りょ…たぁ…!」


離してほしくても離してくれない。むしろどんどん深くなるだけだ。

頭の中にもやがかかっていって…体に力が入らない。
そうなっても涼太はキスを止めない。


(どうしたの…?涼…太…!)


思考も働かない。


窒息寸前でやっと離された。



…私たちの舌を銀糸が繋いで…ぷつりと切れた。
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