第26章 Only You*カルナイ[うたプリ]
ーーーーーーーーーーーー
私は客席の最前列に座る。
控え室に四人の姿はなく、あったのは招待状と書かれた紙だった。
中にはこの座席の番号のみ。
訳が分からなかったけど、取り敢えずここに来るしかできることが無かった。
パッと突然つくライトに目がくらむ。
光の中には四人の陰。
聞こえてきたのは…
「これってあの曲…?!」
そう。
私が四人に向けて書いたものだ。
私の音に、大好きなみんなの音が乗る。
言葉には出来ないほどの高揚感。
音と音とが重なって、心を揺さぶる『音楽』が出来上がる。
これ以上ない、至高の音楽。
少なくとも今の私にはそう思えた。
音は想いに。
想いは涙に。
そうして流れた涙は私の頬をぬらす。
曲が終わり、四人の瞳が私を捉えた。
その瞳に鼓動はどんどん速まるのを感じた。
「私は……っ!!」