第26章 Only You*カルナイ[うたプリ]
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奏side
弾き終わってからの記憶が所々抜けている。
ライブという独特な場所。
スピーカーからの強いサウンド。
お客さんとの一体感。
直接感じたことのない音の波。
その中に私という存在がいたこと。
ぼんやりとした実感だった。
ただただ放心状態だった。
四人の顔が浮かぶ。
こんな感情をくれた彼ら。
足は自然と駆けだしていた。
無性に会いたい。
会いたいよ…!
曲がり角で人を避ける。
スピードは落とさない。
足に絡まるタイトスカートが鬱陶しかった。
早く会いたい。
浮気性な女でいい。
他の人にそれは恋愛じゃないって言われてもいい。
愛が歪んでるって思われてもいい。
これが私の出した結論。
私が四人を平等に愛していることは紛れもない事実なんだから。
大好きって気持ち抑えられそうにない。
私は4人が好き。
全速力で駆け抜けた私は、控え室のドアを思い切り開けた。
「えっ…?」