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短編集  Dear my precious…

第26章 Only You*カルナイ[うたプリ]


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奏side


みんなが打ち合わせに早く来てくれたこともあり、期日の一週間前という異様な早さで上げた。

他の仕事も一段落しているので久々のオフ。

が、残念なことに私は家にこもっていた。
ここでいう残念なことにというのは一般論だけど。

普段ならアイデアを求めて外にでる。
しかし今の私の中では音で溢れかえっていた。

『伝えてみなよ、その思い。』

嶺ちゃんの声が再生される。

私の中にあるふわふわと曖昧な感情。

言葉には出来ないけど、音でなら伝えることが出来るって教えてもらった。

わからないけど確かにある感情。
それを一音一音繋いでいく。

『お前の幸せを第一に考える。』

今度はミューちゃんの声。

昔の私なら音楽があればそれでいいって思っていた。

でも今は違う。

みんなと一緒に創りあげることが私の幸せ。
確信が持てる事実。


『特別だと思てたら、それは恋なんじゃないかな?』
『新しい世界を教えてくれるのが、あなた。』

今度は私自身の声だった。
藍ちゃんと蘭ちゃんに言った言葉。


みんなは私にいつも新たな世界を見させてくれる。

みんなが特別。



…みんなが好き。


これは恋とは違うと思う。
嶺ちゃんにも言ったけど、もしそうだったらただの浮気だし。


でも友情の好きともなんか違う気がする。
しっくりこない。



(きっとこの好きという気持ちは…恋愛でも友情でもない……その先にあるものなんだろな。)

自分でそんな風に勝手に結論を出す。

その先のなにかなんてわからない。
それでも、おかしいかもしれないし自己満足かもしれないけど、自信を持てた。



「できた……っ!」

四人のために作った曲。
私が初めて沢山の思いを詰めた曲。


早く聞いてほしかったみたいで、気がついたときには四人に送っていた。
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