第26章 Only You*カルナイ[うたプリ]
どんな曲にしようかな…
四人の個性が光るものにしないといけないし…
いやでも…テーマが同じなら、似た曲調っていうのも面白いかも!
「おーい、奏ちゃーん?」
「全く聞いてないね。」
「完全なる思案モードだな。」
「変わんねぇな、こいつ…!」
いつも通り作詞は四人がするだろうし、個性とかは私が気にしなくても大丈夫なはず…
その分やりやすい曲にしようかな?
あーでもソロだけなんだ…四人が女の子を奪い合う系の恋の歌とかも聞きたいな…
あ、というか書きたくなってきた。
「ねえねえ、四人で歌うってどうかな?!」
「…カナ。話聞いてたの?」
いつの間にか私に視線が集まっていたことに気がつく。
「もしかして、またやっちゃった?」
「ああ、絶賛思案モードだったな。」
ミューちゃんに笑われる。
「オレは四人では歌わねぇぞ。」
蘭ちゃんは嫌そうな顔。
「いいじゃん、ランラン!面白そーじゃん!」
いつものことながら嶺ちゃんだけが賛同してくれる。
「はぁ…レイジ、今回はソロ曲でしょ?カナも。後のためを思って創る分にはいいけど、それでソロが終わらないなんていったら本末転倒だからね。」
「はーい」
藍ちゃんに窘められて、仕方なく返事した。
この中で一番年下とは本当に思えない。
まあ人間じゃないからと言ったらそれまでだけど。
「次の仕事の時間だ。俺は行く。」
「ああ…オレもだな。」
「私も仕事残ってた!」
みんながみんな忙しいため、流石にユニット曲は叶わないだろう。
でも仕事としてはもちろん、みんなのためにもやるからにはちゃんとやりたい。
「今度打ち合わせに私の家に来て!もちろん別々にねっ!じゃあお先に!」
とりあえず今は、今ある仕事を片付けちゃおう!
「はぁ…あいつは。」
「奏ちゃんの行動って天然か、計算か、わからないよね~」
「まあ素だろうな。」
「そうだね。カナに限って計算しているとは思えないし。」
図らずもみんなの心を乱す奏だった。