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短編集  Dear my precious…

第26章 Only You*カルナイ[うたプリ]


奏side

彼らと会ってどのくらいの時が過ぎただろうか?

実際のところは一年くらいなのに、関わり始めてからの時間の密度があまりにも濃すぎて、すごく昔から一緒にいたような気がする。

彼らといると、普通では出来ないような体験が出来る。
驚くべき、奇跡のようなことが…!


…まあ驚くべきことは普段から起きているのだが。




「で、社長。なんでわざわざそんな登場するんですか?!」

みんなを代表して私が聞く。
誰だってつっこみたくなるだろう。(みんな慣れているためリアクションは薄いが。)

社長の命で屋上に集められた、五人。
見計らっていたのか、丁度五人目である蘭ちゃんが来たときに、謎のヘリのプロペラ音と、空から降ってくる社長の姿を我々の目は捉えた。

私たちの前に綺麗に着地する。

本当にこの人は人間なのか?

「違うんじゃない?」

私の心を見透かしたように、藍ちゃんが返してくる。
藍ちゃんが言うんだったら、やっぱり社長の行動は生物学的におかしいはずだよね。

「そんなことはおーいといテー」

いや置いとけないだろとは思うものの、社長に何言っても無駄なことは知っている。
それに社長のアグレッシブな行動に、作曲のインスピレーションを貰っているのも事実だ。

だからなにも言わないでおく。
それより今大事なのは、社長から言われる仕事についてだ。


「Mr.寿、Mr.黒崎、Mr.美風アーンドMr.カミュ!You達には1ヶ月後のライブで新曲を発表してもらいマース!」

四人は黙って聞いていた。
この四人ということはまたユニット活動なのだろうか?

「それは四人で一緒に?」

嶺ちゃんも同じことが気になるようだ。

「答えはNOデース!!!ですからMs.南には4つの曲を書いてもらいマース!」

ふむ……4つか…
なかなか面白い仕事じゃん。

「なにか他に制約は?」

ミューちゃんが社長に尋ねる。
社長はよくぞ聞いてくれましたとでも言うように、サングラスの奥の目を光らせた。


「テーマは『恋』!!LOVEデース!好きな人への思いをぶつけちゃってクダサーイ!デハデハ楽しみにしてマース!」

相変わらずのテンションだなぁ…。

もう一度ヘリに飛び乗る社長を見送ると、私は曲を考え始めた。
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