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短編集  Dear my precious…

第25章 初めてはいつも貴方で*赤葦京治[ハイキュー]



自然に手を取られ、指を絡められる。
その熱ではっとする。

「あ、あの、赤葦くん?!」

「…なんですか。」

あれ、珍しく敬語…じゃなくて!
私と目を合わせようとはしてくれない彼。
耳が赤くなっている。もしかして赤葦くんも照れてたりするの…?

「さ、さっきのってさ…」

自分から言い出しておいて恥ずかしくなってくる。私も顔を見られないよう俯いた。

「ごめん、流されたみたいになっちゃって……いやだった?」と彼の声が降ってくる。
指の力がギュッと強くなる。

「ううん。でも初めてだったから…」
私も指の力を強める。

「みんなの前でするのが、ってこと?」

からかいで言ってるのか、本当にわからなくて言ってるのか…とにかく聞いてくる彼に「察しろ」って言いたくなってくる。

「キスが、ってこと…っ!」

ああ、もうなにこれ。
どこのバカップルなのよ。
前まではリア充いちゃつくなとか思ってたんだけどな…とか思ってついつい笑ってしまう。

「じゃあ、俺が初めてなんだ。」

楽しそうな彼の口が三日月型に笑う。
つき合ってから、色んな彼の一面を知ることができた。
…私が困ってるのとかを楽しんじゃってるのよね、赤葦くんは。
結構Sだなって思うけど、それに対してドキドキしている私もMなのか…

「そうだよ…」

一歩彼に寄り添い、距離を詰める。
腕がくっつきそうだ。

「私にとって赤葦くんが初めて。……だから、これからも色んな『初めて』を教えてね?」

「っ…!…それ誘ってるの?」

「さ、誘ってなんか!…っ!?」

再び唇が重なる。
誰かに見られてたらとか思って、目を開けたが、周囲には誰もいなかった。
映るのはただ赤葦くんの楽しそうな顔だけ。

「今までは抑えてきたけど……もう無理、かも。」

間近でそんな顔するなんて、本当にズルい。
こんなにドキドキするのも彼にだけだろう。

これからも、
私に初めてを教えてね、赤葦くん。
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